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名建築に学ぶ心地よい暮らし -前川國男邸-
緊急事態宣言が解除となり、外出の機会は少しずつ増えそうですが、新しい生活様式の元、以前よりも家に居る時間が増えそうな毎日。
部屋の中を少しでも居心地良くしたい、インテリアをもっと魅力的に自分好みにしたいという思いを抱いている方も多いのではないでしょうか。
そんな今だからこそ学びたい、家での暮らしを心地よくするための工夫が盛り込まれた、建築家が建てた邸宅をご紹介していきます。
コルビュジエの弟子としてパリの事務所で働き、帰国後はアントニン・レーモンドの元で学び、戦前・戦後の日本のモダニズム建築のパイオニアとなった前川國男氏。
彼自身が設計した自邸は元々現在の目黒駅近くの東京都品川区上大崎にありましたが、解体されたのち東京・小金井市にある「江戸東京たてもの園」に寄贈、再建され、現在も敷地内に保存されおり、誰でも気軽に見学することができます。
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建築されたのは1942年。戦下にあった当時は建築資材が乏しいだけでなく、広さなど様々な規制があった中つくられた建物です。
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目立たないようあえて黒く塗られた壁に瓦屋根の純和風の外観からは想像がつかない程、中は洗練されたモダンなリビングを中心に洋風な内装になっていて、そのギャップに驚かされます。
引き戸の取っ手やレール、窓の格子もすべて木製。細部にまでさまざまな工夫が施され、そのような制約を感じさせないほど豊かな空間に感じますね。
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シンメトリーな外観に、中に入ると壁一面まるごと開口された窓からの光が心地良い大きなリビングが出迎えてくれます。
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庭まで視界が広がる窓側のリビングスペース。日本人の体に合った少し背の低いチェアやソファセットが配置されています。
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ロフト風の2階部分の下にはダイニングスペースが。隣り合うキッチンの壁は開口され、配膳しやすいよう工夫されています。
ここだけ低い天井のため落ち着く場所となっていて、より親密な雰囲気で食事ができる工夫も。
広いリビングの中でも場所によってゆるく空間が区切られていて、程よいメリハリが生まれていますね。
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キッチンや浴室・トイレなどの水回りはタイル貼りの海外のアパルトマンのようなデザインで、古さを全く感じさせません。
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コンパクトで無駄のない書斎と寝室。引戸の押入れをのぞくと洗面台が。限られたスペースをうまく利用しています。
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開いた際には空間を仕切る役割も持つ動く壁のような、大きな開口が取られた回転式のドア。
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戦時中は事務所が被災してしまったため、スタッフを集め自邸をスタジオとして使用していた事もある、前川國男邸。
長く過ごす空間を大きく取り、寝室や書斎、水回りは最低限の広さにしているのはまさに現代の住宅においても人気の間取りです。用途によって部屋を細かく区切るのが一般的な住宅の考え方だったこの時代において、まさに斬新な建築だったのではないでしょうか。
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江戸東京たてもの園では各建物の中にボランティアの方がいらっしゃるので建物や当時の暮らしぶり、時代背景などさまざまなお話を聞くことができるのも魅力です。
園内では新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、十分な換気ができない場所や距離が取れない場所の立入・見学を中止しているそうですがウェブサイトでは360度パノラマビューを公開していますのでぜひご覧になってみてくださいね。