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日本建築界の3人の巨匠が生んだ名建築 -国際文化会館-
少し前の話になりますが、久しぶりにスタッフ皆で食事をする機会がありました。
美味しいランチもさることながら、建物がとても素敵だったので少し紹介していきます。
ランチ会に選んだ場所は、弊社オフィスがある青山一丁目から車で10分ほど、
港区六本木5丁目、閑静なの麻布 鳥居坂に中腹に佇む「国際文化会館」。
元々は江戸時代から幕末にかけて多度津藩(現香川県)藩主・京極壱岐守の江戸屋敷があった敷地で、その後三菱財閥の4代目総帥、岩崎小弥太など数々の所有者の変遷を経て戦後は国有地となっていたものを国際文化会館が払い下げを受け今日に至っています。
建物は国際文化交流の促進を目的にロックフェラー財団などからの巨額の寄付を元に建てられたもので、ル・コルビュジエの元で学び、モダニズム建築の旗手として戦後の日本建築界をリードした前川國男・坂倉準三・吉村順三の三人の建築家が唯一共同で設計した貴重な建築物です。
2006年8月には文化庁が指定する「登録有形文化財」にも登録されています。
木枠のハイサッシにプレキャストコンクリートの柱や梁、大谷石などが使われ、正統派のモダニズム建築らしい佇まいに終始ため息。 。
1952年に建てられたこちらの建物は今年で創立70周年を迎えるそうで、途中増築や大規模な改修を施し上手に保存再生されながらも建設当時の原型をよくとどめていて、直線的なデザインがとってもカッコ良いです。
傾斜地に立地しているため、メインエントランスは建物の2階部分になります。ロビーから正面を見渡すと屋上緑化された芝生が広がり、奥の庭園の緑へとが視界が大きく抜けていきます。 屋上庭園の一部は枯山水になっていて、それもすごく素敵でした。
過去にはバウハウスを創立したグロピウスや、ル・コルビュジエ、アメリカの第32代大統領ルーズベルトなど世界各国の研究者、文化人、芸術家、企業人等が集う特別な場所でしたが、現在では会員だけでなくカフェやレストランなど一部の施設は一般の方も気軽に利用できる場となっています。
庭園の緑が眩しいレストラン「SAKURA」
ティーラウンジ「ザ・ガーデン」にはジャン・プルーヴェの作品に触発された坂倉準三が試作した木製の椅子をベースに改良された、パーシモンチェアが配されています。
1階部分にある宴会場。
ホールには前川國男デザインの天童木工のスツールが。同じデザインのものが同氏が設計した東京都美術館のロビーにもならんでいます。この年代の建築家たちは建築から建物内のサインや照明、家具に至るまでトータルでデザインしているケースが多く、当時の熱量というかこだわりを感じますね。
1975年には前川國男設計による赤い煉瓦タイルの西館が増築され、庭園の緑に囲まれた場所に図書館や貸会議室が配置されています。
庭園側から建物を見ると、レストランの部分が池にせり出しているのが分かります。「釣殿」と言って平安時代の寝殿造の様式を取り入れたのだそう。
近代的な部分と日本的な雰囲気を併せもった建物に、庭園がうまく溶け合っています。
季節ごとに様々な表情を見せてくれる、雰囲気抜群の名建築。
都会のど真ん中にありながら唯一無二の存在感を放ち続けてくれることと思います。
周辺にはホーマットコンコードや麻布永坂レジデンスなどもあり、ヴィンテージマンションも豊富なエリア。
気持ちの良いこの季節、名建築散歩(プラスおいしいもので休憩)もおすすめです◎
(スタッフ皆古き良き建物好き。名建築散歩、シリーズ化していきたいです。。)
※庭からの写真は数年前に撮影したもので、現在庭園の散策は会員のみとなっているようです。